気持ちの良い採光が得られる住まいにするためには、これから暮らす土地で、どの位置が一日を通して気持ちの良い場所かを知ること必要です。また、逆に採光が望めない場所を正しく知っておくことも大切なことです。そのためには、一日を通して土地をよく観察して、イメージを膨らませておきましょう。間取りを考えるとき、一般的に東西南北に適した部屋を配置することから始まります。たとえば、居室などの人が長時間過ごす部屋。これは南東に面した、一日を通して気持ちの良い採光が確保できる場所に配置します。
トイレや浴室などの水廻りは、北西の夕日が差し込む場所や採光がうまく確保できない場所に配置するのが一般的です。しかし、その土地によって採光や通風の条件は様々です。全てに東西南北の常識が当てはまるとは限りません。嫌われがちな西日ですが、もしその土地に西日を避けられる植栽があれば、気持ちの良い採光に変えてくれることもありますよ。その土地によって得られる採光は様々ですので、事前の観察は欠かせないプロセスとなるのがわかりますね。
土地は、実に様々な形状をしています。より暮らしやすい住まいにするためには、家族の要望に加えて、その土地に合った間取りを考えることから始めます。土地の方角や前面道路の位置を正しく把握することは、その土地に合った間取りを考える上でとても重要です。たとえば、玄関の位置が道に接している部分の真逆にあったらとても不便ですし、防犯的にもよくないですよね。周辺に住宅があればよく観察して、どの方角にどの部屋があるのかイメージを掴んでおくと良いでしょう。バルコニーの位置や日の当たり具合などを参考にするのも良いですね。その土地の形状を把握したうえで、家族の要望と照らし合わせ、土地の良さを最大限に発揮できる適したプランを考えましょう。
家の中にいても、風を感じられると気持ちがいいものですよね。是非とも自然の風は、採光とともに取り入れたいものです。風を上手く室内に取り入れるためには、窓の配置が重要になってきます。窓の配置を考える際は、以下のことを考慮しましょう。気持ちの良い風は、通り道がないと入ってきません。出来れば、一直線で結べる対面した位置に窓を設置するように心がけましょう。間取り図があれば、窓と窓を線で結び、その線が複雑にならないようにすることを心がけると、風を呼び込みやすくなります。
低い位置の窓は冷たい空気を取り入れることに有効で、高い位置の窓は温まった空気を逃がすことに有効です。熱気を逃がすためには、吹き抜けを活かすことも有効な手段です。窓の高さを考える際には、視線を逃がしたり、防いだりすることも合わせて考えられるとさらに良いですね。一日中開放できる窓を設置することで、気持ちの良い風を家の中に流し続けることができます。通風のための窓であれば、上げ下げ窓や縦すべり出し窓など、小さくて価格の安い窓を計画すると経済的でもありますよ。
生活動線を知ることは、その家庭に合った間取りを考える上でとても重要なものです。正しい生活動線を考慮することは、より暮らしやすい住まいへの近道と言えます。まずは家族一人ひとりの日常的な一日の動きや流れを想定し、使う部屋と部屋の中にいる時間を書き出して、情報を整理してみると良いでしょう。可能であれば、現在だけでなく5年後、10年後も想定してみましょう。 将来的に必要になる両親の介護、巣立つ子供や増える子供など、今とは違う家族構成まで考えておくと、より長く住みやすい暮らしを実現できます。間取り図が出来上がったあとでも、家族一人ひとりの動線を図面に書いてみることで、住みやすさや問題点の確認になります。 生活動線の確認は、間取りを変更する度に行うといいでしょう。